人気ブログランキング | 話題のタグを見る

福袋?に入っていた絵葉書   

6月に最後の更新をして以来、ずっと放りっぱなしになっていた、玩具箱ですが、久しぶりの更新です。

広島駅前の福屋百貨店に入っている本屋さん「ジュンク堂」では、年に1~2回、古絵葉書の福袋みたいなモノが売りに出されます。中身が見えない状態で70枚入って1200円程度。あまり売れそうもない絵葉書ばかり入っています。つまり戦時中の標語入りだの、山ほど出た観光地絵葉書など、私にとって面白いモノが格安で詰まっているのです。これらの絵葉書も、その中に入っていました。奉安殿と、その設計図です。戦前、どこの学校にもあったもので、ここに天皇の写真(ご真影)や教育勅語を納めてありました。子供達は毎日最敬礼して通っていたそうです。
福袋?に入っていた絵葉書_e0060086_1340484.jpg
福袋?に入っていた絵葉書_e0060086_13152891.jpg
福袋?に入っていた絵葉書_e0060086_13174563.jpg
これらの奉安殿は戦後ほとんど壊されて今はありませんが、ごく一部は今でも保存されているそうです。「近代建築ホームページ」の「奉安殿を訪ねて」に現在の奉安殿について載っていました。

# by touhen-shiryo | 2006-08-27 14:21 | 古絵葉書

土佐沖の天空に登り   

あまり良い絵葉書に恵まれなかった骨董&アンティークin廣島ですが、それでも一目で感動した1枚があります。
土佐沖の天空に登り_e0060086_21443494.jpg
中国、四国地方の地形を描いた地味な絵葉書ですが、右下に「土佐沖の天空に登り北に向ひて瀬戸内海を伏瞰する圖景」と書かれています。確かにこれは、生物としてのヒトの視界を遥かに越えていて、本来人間が見ることのできない世界なんですね。飛行機や人工衛星などに慣れた現代人が失いがちな感動がここにはあるような気がしました。
土佐沖の天空に登り_e0060086_2275560.jpg
表の通信欄は1/3ですから、たぶん1907~1918年初め頃のものらしいです。飛行機の歴史をちょこっと検索してみましたら、ライト兄弟の初飛行が1903年で、この絵葉書の時代は、飛行機がドーバー海峡を越えて飛び、長距離飛行に成功し、戦争にまで使われるようになった時代でもあります。そんな時代の驚きも幾らか混じっているのかもしれません。

一方で人間は、飛行機の発明以前から、空からの視野を持っていました。富士山を上空から描いた江戸時代の絵があります。飛行機からしか見ることのできない角度からの描写に驚きました。富士山に登り、富士山の周りを歩くことで、自分では見ることのできない世界を描いたのでしょう。考えてみたら、飛行機発明以前の世界地図も日本地図も、もっと小さな範囲の地図でさえ、人間が自分の目では見ることのできない世界を見てきた証なんですね。

現代の私たちは、丸い地球や、航空写真など、本当は見ることができない世界を当たり前のように感じて暮らしていますけど、ひょっとしたら自分のものでない知識の洪水の中で感覚が鈍くなっているのかもしれません。古い絵葉書の文章は、それらの忘れられた驚き、感動を伝えてくれます。

# by touhen-shiryo | 2006-06-09 00:21 | 古絵葉書

師範学校の絵葉書   

これも今回、骨董&アンティークin廣島で買った絵葉書です。
師範学校の絵葉書_e0060086_021821.jpg
おっ、これは戦前の刑務所か?っと一瞬期待に目を輝かせて手に取りましたが・・・
師範学校の絵葉書_e0060086_030889.jpg
佐賀県師範学校の男子寮でした。なんだ・・・でも、やはり面白いです。こんな場所で修行を積んで先生になったのですね。
師範学校の絵葉書_e0060086_0334019.jpg
こちらは佐賀県師範学校女子部の作法室だそうで。エンボス加工したお洒落な絵葉書ですが、こちらも大変そう。足がしびれて立てなかったりしたら、もちろん非常にまずいんでしょうね。

# by touhen-shiryo | 2006-06-04 00:41 | 古絵葉書

幼年の友ゑはかき   

2日に骨董&アンティークin廣島へ行ってきました。その時買った絵葉書を紹介します。
幼年の友ゑはかき_e0060086_232745.jpg
「幼年の友」という児童雑誌の懸賞で貰えた絵葉書のようです。
幼年の友ゑはかき_e0060086_23535392.jpg
ネットで調べてみると、「幼年の友」は明治時代創刊の児童雑誌で、大正時代になっても続いていたようですが、この雑誌がいつ頃まで続いていたのか、今、ちょこっと調べたところではわかりませんでした。郵便の消印は8年です。「きかは便郵」となっていますので、文字の表記には例外もあるようですが、一応大正8年でしょうか。切手や消印に詳しくないので、その部分からは確認することができません。

裏の絵も美しいですが、表のデザインも幼年雑誌らしく可愛らしいです。差出人は男の子ですが、ずいぶん品の良い言葉遣いをしていますね。

# by touhen-shiryo | 2006-06-04 00:14 | 古絵葉書

昭くんは何歳か?   

昭くんは何歳か?_e0060086_0405363.jpg
この前取り上げた尋常小学図画教科書の持ち主、昭くん(教科書と、教科書に挟んであった80点の絵に名前がありました)、存命ならば82~83才と書きましたが、ふと私の思い違いを発見してしまいました。昭和が平成に変わったからと言って、平太郎くんや、成美ちゃんが増えたという話は聞きませんでしたが、昭和の時はまったく違いました。「昭」という名前は、多くが昭和の年号に由来していることが多いのではと思われます。確か、それ以前は「昭」という文字は庶民にとって、まっさきに我が子の名前に思いつくほど身近な字ではなかったと、どこかで読んだことがあるような気がします。(裏づけのために調べるべきなのですが、そこまでしていると気軽に書くつもりのこのブログがうまく行かなくなってしまいそうなので、ここは他力本願にすることにしました。もし思い違いなどありましたら教えてくださいね)

さて、この教科書の持ち主である昭くんが昭和8年に小学4年生なら、大正生まれの昭くんということになります。ん?まてよ・・・ああああ、そうでした。昭和8年発行と書いてあったとしても、この年だけ使われたわけじゃありませんよね。ちょこっと調べましたら、この時代は国定教科書の第4期、昭和8~15年(1933~40)、国語の教科書が「サイタ サイタ サクラガサイタ」で始まる「サクラ読本」の時代でした。昭くんの推定年齢には幅があるというわけです。昭くんは「サクラ読本」の時代に小学4年生で、なおかつ昭和生まれの可能性が高いので、そこから考えると現在、76~80才くらいということになりそうです。やれやれ (^^ゞ ちなみによく見ると教科書の裏には、昭くんの名前の下に、几帳面な字で別の名前がありました。姓は昭くんと同じです。おそらく姉弟で使ったのでしょう。好きで買い集めたボロ本ですが、こんなに面白いことも、ブログに公開して初めて気がつきました。

上の写真はこの教科書の中の絵で「勉強」という題ですが、ついでに他のページももっと紹介しましょう。
昭くんは何歳か?_e0060086_110092.jpg
この時代は、まだあまり戦時色が強くはないみたいで、いかにも戦前らしい題材といえば、この神社の絵くらいです。
昭くんは何歳か?_e0060086_1144417.jpg
昭和30年代生まれの私も、夏休みの宿題「夏休み帳」あたりでは、こんな絵を、もっとヘタクソに描いたような・・・
昭くんは何歳か?_e0060086_1165051.jpg
最近流行の絵手紙の世界ですね。ずいぶん渋~い題材です。
昭くんは何歳か?_e0060086_117115.jpg
花がテーマのデザイン画です。この手の教材はとても多いです。上のアサガオの絵も、次のページではアサガオを使った模様へと発展してました。けっこう楽しそう。

# by touhen-shiryo | 2006-06-02 01:39 | 古雑誌・古本